ミシェルウェルベック『素粒子』書評/yamadahifumi
 
人物であり、僕達は自分が幸福になる為に運動する事に忙しいからだ。だが、僕達は幸福を過度に求めるという理由により、決して幸福になれずに、不幸に陥る。そしてその事をウェルベックはこの書物で冷酷に描いている。


 この書評は以上で終わる事にする。僕はこの書物を読んで、非常に辛い気持ちを味わわされた。そしてそれが真実であるだけに一層辛い。僕はこの書物を読んだ後、この作家の他の本も買おうと、アマゾンのページに飛んでいったが、しかし買うのは控えた。真実というのも、それが過度であると、あまりに辛いからだ。この書物の帯には「多量の毒 注意」とでも書いておいた方がいいかもしれない。そして、それよりもっと大切
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