「起因 」 散文詩/アラガイs
一向に改善されない親の認識を、子供は無知だと必死になって諭そうとする。一日の終わりには決まったように罵りあいと変わる。そしてある日突然はじめから聞く耳など何処にも持ち合わせてはいなかったことに子は気づくのだ。
この親子には矛盾を解消する術がない。
坂道を滑り落ちるように、互いの骨にすがり付くしかない。
認識は欠けたまま、共に闇雲と暮らす。そして年月だけが過ぎ去って行くのだ。
このような親と子に生じる憎悪の関係とはどこからきているのだろうか。過去何らかの原因によるものが、未だに血と溶けあってはいないせいかも知れない。不信から飛び出される羽根の震えを、悪意のまま受け入れて暮らしてきたのかも
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