「起因 」 散文詩/アラガイs
本人の努力がない限りむずかしいのだ。
それでも子が親元から離れられないのには理由がある。その多くは経済的な負担を押し付けているのかもしれない。傲慢な親の眼には成長したはずの我が子でさえ、その関係は永遠に従属的だ。子は親の存在を生きるために手段の糧とする。同時に切れるはずもない関係の血を食物のように認識する。
自立を要求する子供は親元から離れたいと願う。小鳥が巣立つように。様々な営みや世界の拡がりを、身を持って体感しなければならない。それが子供に備わった自然な行為だろう。
しかしある親子関係に於いては、離れようともがけばもがくほど、逆に不思議な力が二人を引き寄せて離さないことがある。
憎
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