「起因 」 散文詩/アラガイs
 
無知とは勝手に入り込んできて勝手に飛び去ってはくれない。
あなたはこれまで一体何を意識し身に着けてきたのか、と成長した子供は親の無知を罵倒する。親は飼い慣らしてきたはずの我が子を、いまだに無知だと思っている。互いが互いの関係に縛られて会話は一歩も退かないのだ。
このような思いやりに欠けた否定だけが内在する親子喧嘩などは、どこかで終止符が打たれない限り日々延々とくり返されるだろう。親子と呼びあう血の関係に溺れ、互いに尊重し合う意思を何処かに置き忘れてきた。それとも端からその意思も無いのか、そのどちらかである。
拗れてきた思考の会話を取り戻すもの、それには互いの接点の違いを見出だそうとする本人
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