或る芥川賞作家の受賞会見/yamadahifumi
う事に僕も先回りして言っとくと、僕が何故、小説などというものを書いたのか。何故、十年近くも苦しみながら小説というものを書き通したかというと、それはそういう常識人達の常識をぶち破りたかったからです。そして、その方法を教えてくれたのが『神聖かまってちゃん』だったというわけです。人はなんとでも言えるでしょう。特に、芥川賞を取った奴が僕のような阿呆だったら、こいつを叩く事で一種の快感が得られる。何故って、そうする事によって『芥川賞を取った有名な作家よりも自分の方が人として上だという事を証明できるから』です。その自尊心の為です。でも、僕が小説を書く事によって常に戦ってきたのは正に、その自尊心に対してです。そ
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