ビー玉沿線/角田寿星
。当時の人々の最大の関心事はどれだけ沢山のビー玉を受け
取ることができるかであった。ビー玉の所有をめぐる裁判の頻発やビー
玉抱え込み運動などの問題も生じることとなった。
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ビー玉弾道特急の計画と挫折についてはここでは詳しくは述べない。
『ぷろじぇくとえくす』を参照されたし。
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戦後の混乱期を経て誰もがビー玉に飢える一方で人間にとってビー玉と
は何かという論調が高まるようになった。ほんとうのビー玉とは生涯ひ
とり一個であるべきではないだろうか。ある者はビー玉沿線を根城にほ
んとうのビー玉の到来を待ち続けまたある者はほんとうのビー玉を探し
に流浪の旅にでた
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