ウイルス効果/ただのみきや
 
にブスリ
詩は号泣し幾つものオノマトペがこぼれ落ちた
座薬を嫌がって泣いていた息子もすっかり大きくなり
今ではわたしの頭頂部を見おろして鼻で笑う
そのうちこっちが座薬を挿入される立場になるのか
遺憾! 絶対に拒否してやる
そんな感慨に耽っていると
詩の様子が変わり始めた
ぐったりしていたかと思えば 急に
副詞の目つきがおかしくなり
助詞は迷子のようにきょろきょろ
名詞と形容詞と動詞は三角関係のタンゴ
紅く絞められては蒼く愛し震え
造語に煽られた熟語たちの蛮行は
インテリ気取りでインモラルなデモを扇動する
何かをモノ凄く伝えていながら
何一つ意実を結ばない
昼に食堂
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