才能のない批評家から、才能ある新人作家への提言/yamadahifumi
 
ら言えるだろうか。もし、言えないなら・・・・・・残念だね。でも、それは普通の事だし、当然の事でもある。だが、君はデビューしてしまったので、そこはいくらでもごまかしが聞く立場なわけだ。君は作品の事も文学の事もほっぽりだして、その周辺で活動するようになる。そして、その内には「いかに、人生を良く生きるか」みたいな本を新書で出したりする。そして、人はそれを「はあ、偉い人は違うねえ」と思って読むのかもしれない。だけど、君が本当にすべき事はそういう事ではないんだ。まず、今の君がすべき事は、作品の中で生きる事だ。現実の自分を捨て、作品の中で、作家として呼吸する事だ。そして、そういう作品を生み出す事だ。夏目漱石を
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