彩とリドリ 【連詩より】/ハァモニィベル
赤な椿になったのだ
この姿から もどれずにいる
かれこれ3千年、散ることはない
鳥が、俺を囲んでいて
奴らは容赦なく私をついばむ
恐ろしい記憶へと連れ去るのはいつも朱い鳥だ
碧い鳥は 君に 至福をくれるだろう
みな もともと人だったのだ
リドリだけが
一向に姿が見えない
いったい、どこにいるのだ
誰か、誰か、誰か、誰か
教えてくれ!
この音は何の音だ?
いったい、いったい、いったい?
ンバサンバァ ンバサバンサァ ンバァサバァ
* * *
濡れ濡った亀裂の傍に鎮座する
桃色に尖った蕾のような地蔵を擦ると
呼応するように、羽衣貝の花びら
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