まるで閉じられた目蓋が開いただけとでもいうように/ホロウ・シカエルボク
 
なくでかい音がした
生徒がざわついたけれど、校長は冷静に話を再開して、空気はすぐにいつもの空気に戻った
男の教師が一人、ギャラリーに上って死体を始末した、大事そうに両手で持ち上げていたよ
雀は窓が開いているかどうか確認出来ない、だからよくああいう風に死んでしまう、と
あとで担任の教師が教室で話した
その時は、そうかと思ったけど
今になって考えてみると、あいつやっぱり死ぬ気だったんじゃないかななんて気がするんだ、あれは
死ぬって決めたやつにしか出せないスピードだったような、そんな気がしてさ
判るだろう、そういう真剣さって
あのころは、やはり、判らなかった、先生の言
[次のページ]
戻る   Point(3)