まるで閉じられた目蓋が開いただけとでもいうように/ホロウ・シカエルボク
の言うとおり、雀はそうやって死ぬことがあるんだって、普通にそう信じていたよ
だけど今こうして思い返してみると、俺にはどうしてもそんな気がしてしまうのさ…
妙な回想に気をとられているうちに、中空の穴は消えていた、それについては特になんとも思わなかった
目に見えるわずらわしいものがひとつ消えただけだ
そうか、雀…、と俺は思った
あれはあの世からの、あいつの眼差しだったのか
あいつの死を覚えている、方々で話している、この俺を眺めに来たのか…
それが真実と違うことは俺にも判っていた、だけど、そういうもんだよ
結論付けるには、流れに乗ってみるのが一番良いことだってあるのさ…
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