まるで閉じられた目蓋が開いただけとでもいうように/ホロウ・シカエルボク
 
ところに一対の目があった、そう、真っ白い穴の中にだ
値踏みするかのようにこちらを見ている、その目を見ていると
去年か一昨年あたりに見た夢を思い出したんだ、その夢の中で
俺は海の近くに居た、海の近くの、横長の休憩所的な木造の建物のあたりに
近くに女の子が三人居て、彼女らは丸太で作ったテーブルを前に、丸太で作った椅子に座って
この海に死にに来る人ってすごく多いんだって、という話をしていた
きれいな海なのにね、と女の子たちは考え込む感じになった、俺はそこを離れ
ちょっとした屋根がついている渡り廊下を歩いて、海の近くにある大岩に向かった
大岩はちょうど凱旋門のような穴がくり
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