あれかこれか/ハァモニィベル
が消えている!
閉じ込められたのか。?
幻惑の覚醒を促す薄っすらと昏い空間の内部を見上げると、今にも落ちて来そうな天井から、何かが、こっちを見下ろしている。鋼鉄の錆びた額縁に囲われた、色彩の全くない絵画!よく見ると、そこに私の顔が、途中まで描かれたまま捨ててある。
思わず目を逸すと、床の隅っこでは、たくさんの過去と未来が、袋からこぼれ、そこから、ただ、残酷だけが芽を出し、葉を開いていた。シツケの悪い掃除ロボットが、奇怪な音を立てながら床に糞を撒き散らして彷徨い、それを見た青白く輝く地球儀が、回りながら、切なく温暖化していた。
*
宝石の夜景が、黒球の表面に
輝きを回転させる
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