あれかこれか/ハァモニィベル
せる、その
動く周期につられて、
意識そのものが、そこへ
徐ろに吸い取られていき、
脳内に夜が訪れはじめると、闇が、
支配を徐々に拡げていく。
やがて、眼の前で回転している球が、
自分の首から上の頭であることに、
・・・私は薄っすらと気づいた。
** 4 **
薄暗い夜が陶酔を抱え込んだまま覚醒を拒む。
背中についた砂を払うようにベッドから出た男に
あなたはわたしの為に泣かない、と女が詰る。
男は欠伸をすると、テレビをつけた
《 美しい地平線
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空と大地の間を貴方のモノ
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