六月三十一日/飯沼ふるい
 
犯罪評論家乙、
犯人の身内がかわいそう、他人の不
幸で飯がうまい、今日人生初デート
、学校休みキター!、わりとどうで
もいい、


それを眺めながらあくびをかます、あなたとは?

/

隣室の三人家族は三十二時間後、練炭で心中を執り行おうとするが未遂に終わる。ざらついた異形の繋がりや、唇の端で腐敗した言葉の滓、糞尿、その他の排泄物に満たされた家族は死ぬ夢から覚めた後、離散する。反対の壁の向こうから子供の明るい声がする。どのテレビ局も連続通り魔の報道に熱をあげている。アナウンサーの深刻な顔。煉瓦ブロックの歩道にこびりつく血の痕をおさめたTwitterの写真。救急車のサイレン。テ
[次のページ]
戻る   Point(2)