アドバルーン(いつかみんなにワイドショー用に用意されたコンフェッション)/モリマサ公
 

(コーラス)



度重なる家庭の事情が
いっせいに草原の草のようにそよぎだして
「吹いている風すら自分の責任?」
みたく思い込むこどもたちの群れが
光の中を走ってる
(そっかーこのことだったんだー)
うでをのばしてばらばらに
がけのふちから
飛びたっていく


「わーい」



(妹 小学4年生)



あはは
四つ木のジャンクションでわたしたちは交差していく
俯瞰する
「時速と停止してるもの」の関係
中川の対岸沿いの建物のかべたち
それぞれのいろあせかた
そこで働く人と暮らす人たちの
茶碗や食卓を並べて
それぞれの国の油や香辛料
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