二人の遡行者?細川航「ビバーク」/春日線香
うすみどりに透けていってきみの喉
がかわいて雨という言葉になる
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雪は溶けて雨に変わる。ある状態からある状態への移行、その中心に詩人はいて、言葉を受け渡している。それも喉の渇きを感じながら。もっと直截に言うなら痛みを通して。
雪から雨という状態の変化に注目したい。雪解けは地上を流れる。その言葉の川を差配しているのが詩人であるとして、彼が感じている乾き……痛みとはどういうものなのか。それは詩の中で語られている。
言葉から自分を差し引けないそのさみしさ
自己を滅却する死の意識を持ちながらも、かろうじて生に留まって詩を歌うことが詩人の原理なのだとしたら、この「さみしさ
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