スコールの、始まりのよに/ホロウ・シカエルボク
目だけで生きてやれ
結構昔から、細木さんは死ぬ死ぬって言っていた、地味なブレザーの制服を着てた頃から、しょっちゅうね、なにもかも嫌になった、こんな世の中とはもうおさらば、なんて言ってるわりには毎朝元気におはようって言ってた、だからだれも本気にしてはいなかった、たぶんだれか本気にしてやってればよかったのかもしれないななんていまじゃ思うこともある、でもそういうのってどうしようもないことだからーだけど彼女らしい死にざまだったよ、飛び降りたけれど死ねなくて、手首切ったけど死ねなくて、なんかの薬を大量に飲んで死ねなくて入院したんだけど、そのとき末期の癌が見つかって、そっからあっという間、最期
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