On The Road Again ( new classics )/ホロウ・シカエルボク
 
からピザを選んだ、「いいチョイスだ」
「おれは昔ピザ屋をやってたんだ」男は胸を張った、「潰れたの?」ときみが聞いた、いいや、と男は首をふった
「閉めたんだ」「どうして?」こほん、と男は咳ばらい「テレビを見る暇がないからさ」ぼくたちは笑った
「自由ってそういうもんだぜ」
「賛成」ときみが言った
ピザは文句なしに美味しかった
ぼくたちは満足してよく眠った


翌朝、きみはぼくより早く目を覚ましていた、それはこれまでで初めてのことだった「ねぇ」とぼくが身体を起こすなりきみは話しはじめた
「あたし、ここにするわ」
いいんじゃない、とぼくは答えた「かれは断らなさそうだし」「でしょ?」
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