On The Road Again ( new classics )/ホロウ・シカエルボク
 

ぼくらはなぜか勝ち誇った
「どこから来たんだ?」ぼくは街の名を言った、はぁー、と男は変な声をあげた
「若さかね」「ケルアックもビックリだ」
ケルアックってだれよ、ときみが聞くと、男は少し傷ついた顔をした「昔のひとさ」「ふうん」それからぼくらは金を払い、男は部屋の鍵をくれた
「ひとつ、確認しとかないといけない」「家出とかじゃないな?」
違うよ、とぼくは答えた、でも詳しい話をする気はなかった
「それならいい」と男は言った、かれにも詳しく聞く気はないようだった
「面倒が起きないならいいんだ」ぼくは笑顔でその心配はない、と答えた
「食事はどうする?」「七時」
ぼくらは三つのメニューから
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