On The Road Again ( new classics )/ホロウ・シカエルボク
「でも歩かなくちゃね」
「歩きはじめればすぐさ」とぼくは言った「いままでだってそうだった」「そうね」「これからもそうさ」
そうしてまた道にもどった
二時間ぐらい歩くと、雲が切れて西日になりはじめた「ねえ」しばらくぶりにきみが口を開けた「このくらいの時間帯好きだわ」
そうなんだ、とぼくは答えた、暑いなと思いながら
「お日様がムキになる感じがして…言うの初めてだっけ、これ?」
うん、とぼくは答えた「初めて聞くよ」
「ぼくはてっきりこういうのはきみの趣味じゃないだろうと思っていた」
「こういうのって?」「こんな毎日さ、歩きはじめてからの…すべてさ」
「あら」ときみはにやりと笑い
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