赤い血だ、へんなの/ホロウ・シカエルボク
 



街に着いたのは昼前で、たくさん人が集まる時間だった、サニーを車に残して、父親はどこかへ行った、十分ほどで戻る、と言って
その間サニーはずっと、賑わう通りを歩く人たちを見ていた
この人たちはみんな悪魔なのね、と思いながら
やがて父親が戻って来た、かすみ草の花束を持って
彼は後部座席のドアを開けてサニーの横に座り、花束の根元にある小さな膨らみを見せた
「あの時計の下に行ったらここを押すんだ、悪魔が吹き飛ばされて、神様がお喜びになる」
「判ったわ、パパ」
父親は頷いた「行きなさい」
「はい、パパ」


サニーは車を降りて、転ばないようにゆっくりと歩いた、白いドレスをまと
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