赤い血だ、へんなの/ホロウ・シカエルボク
まとった小麦色の肌の彼女は、人目を引いた
父親は真剣な眼差してサニーの後ろ姿を見ていた、祈りの言葉をつぶやきながら…サニーは落ち着いていた、しずかな足取りで時計を目指していた、なんだかデートに行くみたいだわ、と思ってちょっとおかしな気持ちになったけど、軽く首を振ってそれからまた、真面目くさって歩いた、やがて彼女はそこにたどり着いた、時計を見上げて、そしてそれに背中を向けた、青い空が美しかった、遠くに父親の車が見えた、教えられた通りに花束の根元と膨らみを押した、そのとき一羽の白い鳩が、彼女の足元に舞い降りた
あっ
鳩だ
それが
彼女が最後に思ったことだった
すべてを見届けた父親は、車を走らせて来た道を戻って行った
サニーの魂は少しの間ぼんやりと漂って、自分がいた場所を眺めていた、たくさんのものが壊れ、たくさんの悪魔が倒れて苦しんでいた
赤い血だ
へんなの
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