僕は君と、めがねの置き方を知らない/赤青黄
 
地をあるいていたりして、こっそり市役所に行ったりして、使われているのを見ると、少しだけ嬉しくて、でもちょっとだけ喉が渇いて。僕は駆け出した。その間に陽が沈み、太陽が顔を出すまで僕は新しいめがねをつけて料理をし、風呂に入り、発泡酒を片手に映画を見たり食べたりのんだりして、めがねを外すとき、今度はしっかりケースの中に入れて眠った。目が覚めたらシャンプーで毎日洗ってあげて、電車の中では、他人にぶつからないように腕つり革に捕まる手でフレームを守った。でも、新しいめがねはすぐ壊れた。ふとしたとき割れたり、まがったりして、何回も買い換えた。その度に院長はお金をくれた。僕は更にめがねを大切に扱うようになって、僕
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