僕は君と、めがねの置き方を知らない/赤青黄
 
のあらましを事細かに話してめがねを返してもらおうとしたのだが、彼女は僕が一つの言葉を発する度に顔を引きつらせていき、話終える前に用があるから少々待てといって受付を去ってしまった。いや、受付嬢が受付離れてどーすんだよ、とか突っ込みながら、僕はきばんだスポンジが穴からはみ出すベンチに腰を置いて待つことにした。僕以外この待合室に人はいなく、時折病室のある二階から悲鳴が聞こえてくるから、多分この病院はそのお陰で成り立っているのだろうと勝手に想像しながら、ああ、今日九時からやるテレビ番組の録画予約をするのを忘れたってことを思い立ち、僕はジャケットを着て、急いで病院を後にした。


?翌日、僕はまたあの
[次のページ]
戻る   Point(1)