箱庭にて 序章 (未完成)/黒ヱ
 
偶然のあの日なのだが)ありとあらゆるものが溢れかえった。
 その子が見つけたものは銀の板だった。正確には、そこに映えたその子自身であるがそんなことはもちろん知る由もなく、何もかもが新鮮であった。その子は分からなかった。何故、自分の心の臓が高く脈打ったのかを。
その子はすぐに踵を返し木立まで駆け、根元に座り込んだ。自分自身に何が起こったのだろう。今さっき、何を見たのだろう。その子は困惑し、また高揚した。そうしながら、何度も何度も飽くる事なく先ほどの刹那を思い返しては思考した。


行動


痩せ細った黒衣の少年
「これはこれは!奇想天外な源だ!」
 記憶が薄れ始めた頃、少年はもう
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