それぞれの果て/黒ヱ
ずっと
切り取っては離す それでも亡くせない
この思いの中の絶景を 疎ましくはせずに
ここから もう一度 飛び立つ
知る思い出より 知らぬ今の方が焦心で
それでも置き去りに 空は託す
不意に見つけては 切なく巡る 違う人を
綺麗な笑顔 変わらず
空の道を経て 止まり木眺めて
ひとりの羽に冷たさ思う
色を叫んだ口から零れる
「あの時もう少しだけ 素直になれてたなら ねぇ」
後悔の音 響いて行くばかり
髪の長さに 月日の重きを感じ
守っていたもの 廃れていくものの寂しさ
寄り木の枯れたまま 背を伸ばしていく 轍の隙間から
始まることもない 優雅な
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