それぞれの果て/黒ヱ
雅な空 思いの馳せて
見つめては摘む 緑の芽 飛び交う
消えていく
とても大切な そう 大切なもの
高く 飛んでいくものだから
またひとりでに 見えなくなろうとしている
そして終に行き着く それはいとも簡単に
お互いがお互いに言う
「羽の亡き者よ」
自らに 然は然りながら 投げる
煌き落ちる その星の軌跡を指でなぞって
羽ばたいてくれる者無き 空に眼差し向けて 千切る
風だけは 同じ様にあり 語りかける
また雛となり 立ち尽くしている
「それでも 高く 飛んで行ってしまうものよ」
夜天を飛ぶこと
見てもらう それすらも出来ないまま
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