血人(ちびと)/ホロウ・シカエルボク
に
そう、あえて理由というものがそこにあるとすれば
それはおれそのもののようなものだ
生存しているという事実が求めるもののところへ懸命にたどり着こうとする
それ以上の能書きはもう何も必要ないだろう
おれは語り尽くしはしないのだ、語り尽くせるものでもないし
語ることそれ自体にもきっと意味などはないものなのだから
答えを出すための生業ではない
むしろそこが答えになってしまわないように
懸命に結論であることを拒否するのだ
一度はぐれたら終りだ、一度はぐれたらそれでお終いなんだぜ
一秒を背にし一秒が通過し一秒の未来がある
おそらくはそれが一秒のままであることを感じ続けるため
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