血人(ちびと)/ホロウ・シカエルボク
体は、沈むことはない
漬かりながら、揺れながら
もはや追うことをやめた、理由について考える
答えを出すための思考ではない
焦りを取り去るための、遊びのようなものだ
たとえばおれがあなたに、そのことについて伝えようとすれば
一日二日じゃ足りないだろう、たとえばそれが千夜一夜でも
語り尽くすことなど出来はしないだろう、しかも
それは空のように日々変化していて、昨日と同じ言葉では語れはしないのだ
修正しながらほんの少しの変わらないものについて
語り続けようとする試み、執拗に続く念押し
たとえばあなたがそのことについてまったく理解出来ないとしても
おれは全然かまいはしない、
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