責任/葉leaf
すこともできるのだ」そんな考えが閃いた。それは、私が私に対して背負っていた責任を閃きと共に果たした瞬間だった。私の私に対する勝利の瞬間だった。それ以降、私は他人に怯えることがなくなった。責任は葛藤を引き起こした末に、ガラスのように美しく砕け散ったのである。
社会人になるにあたって、今度は社会とのせめぎあいがあった。社会は単純な敵ではなかった。社会は攻略すべき相手であり、その表情一つ一つに敏感に反応し、的確な一手を指して行かなければならない相手だった。社会が一体自分にどんな責任を課しているのか、まずそれを特定することから始めた。一方で、私の方でも社会の利用できる部分は利用し、社会に多数の責任を
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