【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
a!の衝撃に引きずられてるから、読めば読むほど発見の盲点が発覚するってだけなんだけどね!
友人:ほんっっっと偏見ってこういうことなんだなって思い知らされたよ。
澤:だが。
友人:その誤読の錯視が、最高におもしろい。
澤:ね、それがわたしの思うこの書き手に最大の魅力! 叙情のせいか論理のせいか頻繁に、「口なしの虫食いの言葉」とか「虫食いの言葉と、根も葉もない枝で塞がれて狭窄する視野」とか、対照的な情景が立ち表れて形容矛盾を起こす。その矛盾の裂け目から、目くるめく錯視が無駄なほど湧き出す。
友人:表面的な語法だけじゃなく、情景からして脱臼させるから、詩の世界を無駄なほど多層的に
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