【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
的に味わえるんだね。
澤:たとえばこの詩は眼底、反映と投影を繰り返す鏡!
友人:そうこの詩は眼底、硝子体をくるむ網膜を水晶体脱臼が打ち鳴らす呼び鈴!
澤:なにせこの詩は眼底、ぶどう膜に覆われた果実。種子であると同時に母胎であるという矛盾!
友人:海底でありながら地底に沈む、地球の反転のような矛盾だってここは眼底!……って収拾つかないほどガッピョーが錯乱したよね。
澤:特に【ひかりの鱗粉】がね。それはマッチあるいは鬼火の「燐」に決まってるっていうきみの意見を、わたしに納得させるのに、きみがどれほど苦労したことか。
友人:あーあれはほんと苦労したねー。きみのゆるふわすぎる脳
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