【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
この仕掛けを発見したきみもきみで、まあすなおにすげーって思ったけど。
澤:それは光栄だけども、褒められるほどの発見なのかな。【そのさまを遠くから観察する何組もの私と友人】(1章)って書いてあるんだから、こいつらが片眼だってことくらい気づくでしょ。
友人:もちろん気づくよ、だからすごいんだよ。初見一発の気づきで読者を引きずりこんで、ぜぇんぶわかったような気にさせといて、なんなのこの詐欺師は、
澤:違う、
友人:ぜんぶわかったはずなのに、読めば読むほどよくよく考えたらぜんっぜん違う!
澤:たとえば【浜辺に打ち上げられた青い少女が昨夜食べた赤い花は文法の白い野原に群生しているんだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)