【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
いる、
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死を象ってひらいた瞳孔に、自身の投影である他者を反映させ、かき混ぜてかき混ぜてそれでなにが出てくる?
自我が自我に射精し自我が自我を分娩する、語り手の眼中に他者はない。なにせそもそも自我がない。
なにせ【紛れもなく外人】(4章)だ。
血を吐いてすら自愛できない。
書いた詩すら、自分の心と認めてやれない。
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青、赤、色彩の花畑、文法を摘んでいく少女は傍らで干からびている私の死体には目もくれない、あなたが外人だから、と、教授は言う、私は答えない、応えら
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