【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
 
えられない、外人だから、
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【私の死体】は、2章で【燃やされた私の灰】(4章)だ。鬼火であり光明であるところの【ひかりの鱗粉】(2章)だ。
 片眼であった語り手はもはや、炎症を起こしたぶどう膜の内側で、硝子体に飛散する炎症物質と化している。
 その【影】が飛蚊症。飛「文章」だ。この詩だ。

 この詩は語り手の【吐血】の痕跡。自分自身の血、自分自身の熱にすら見限られて眼中を漂う歌のむくろ。
 自他の境界を焼き滅ぼし、自我を灰燼に帰しながら、それでも血は白眼視の下で、脈絡膜を駆けめぐる。
 生きている。活きてしまう。読解とかいう根
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