【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
にない「のに網膜に焼きついている
この詩は血痕で記されている。それがこの3章で示唆される。
【私の黒い瞳】は、1章で示唆された「死んだようにひらいた瞳孔」を指す。
【私の黒い瞳の中に指を入れる私】は「死体のようにひらいた瞳孔へ入射する、自我の投影であるところの他者」を指す。
このような【指】(指示=決めつけ)が【枝】(支持)となって根も葉もないまま生い茂り、「白眼視の文法」の群生する野原が【森】となって視野を塞ぐ。それを知っているので、語り手の歌は【吐血】にしかならない。
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外人の青い瞳の中に指を入れてかき混ぜるとします、
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