【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
 
溶けていくまるで焼け焦げて歪む写真の像のように、
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 クチナシの害虫として有名な【オオスカシバ】は、鱗翅目スズメガ科の蛾だ。「我」だ。
 害あるその幼虫が示唆するものは、語り手の【瞳】(童の目)だ。
 語り手は「口なし」の言「葉」で、虫食いの視野を養っている。

 その虫食いで開く穴は、盲点か、逆に風穴か。
 自我に自己の記憶を食わせて「視野を狭窄させている」とも「視野を拡大している」とも取れるが、どちらでも結果は変わらない。
 視野が狭窄して自我しか見えなくなっても、視野が拡大して多くの他者が見えるようになっても、まさに同じ
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