【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
いるので【もはや外人ではない】(3章)。
だから3章で、【私の黒い瞳】(瞳孔)が【吐血】する血溜まりに、【たくさんの外人の瞳が転がる】。
ひとたび外へ吐かれた思いは、自分自身の血であっても【紛れもなく外人】(4章)。
片眼である【私】の【傍らの友人】も、つまり語り手自身の片眼なのに、眼中にない【外人】でしかない。
【私】は【友人】を【なぜか直視できない】にもかかわらず、その色を【墨のように真っ黒】と認識している。
【影たち】の色から自身の色を推測したのだろう。鏡像段階の幼児のように、他者を鏡として自身を認識しているからだろう。
そのように他者は自我を支配している。自我を他我
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