【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
症を起こしている。
飛「文章」をだ。記憶の綴りからこぼれた墨(インク)が、【影】として視野へ飛び散る。
視野は青そこひ(緑内障)を患い、狭窄している。
緑が【白い文法の群生する野原】の内で障っているので、【野原はやがて森になる】(3章)。
その障っている緑(青)は、【外人の青い瞳】(3章)だ。
【外人】は他者、【青い瞳】は青眼(歓迎のまなざし)、語り手が自我に反映して取り込んだ、「眼中にないのに網膜に焼きついている他者の視線」の表象。眼中になくとも眼底でふくれ上がっている記憶の圧力が、網膜を傷めるのだ。
他者の視線は語り手の自我に取り込まれ、語り手の自我を支配している
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