【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
;-------------
【外人のことなんて何もわかりません、なぜなら私が殺した人々はもはや外人ではないから、】(3章)
【なぜ死は静寂として齎されないのだろう、と、友人は言う、波が嘲るように声をあげる、いきものはひたむきに躰をくねらせるのにどこまでも静寂だ、静寂に色彩を宛がうように、俯瞰の渦を巻き、】(1章)
------------</quote>
自我迷執がきわまって結果的に、自他不二に至ると言わんばかりの曲解。
涅槃寂静に程遠い、この現実が空即是色であるとでも言わんばかりの詭弁。
なのに、筋が通ってしまう。脈絡がついてしまう。どれであれ辿れば心臓へ至る
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)