【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
射した他者の視線の反映で自我を築き、築いたその自我を他者へ投影した。
そしてその「自我の投影である他者」を反映して自我を強固にし、その「自我の投影である他者を反映して強化した自我」を他者へ投影した。
そしてその「自我の投影である他者を反映して強化した自我の投影である他者」を反映してさらに自我を強固にし、その「自我の投影である他者を反映して強化した自我の投影である他者を反映してさらに強化した自我」を他者へ投影した。
このように狂気的な投影の反復で、語り手の自我が崩壊したことが、2章の誤謬と【オオスカシバ】の比喩から窺える。
2章では「口なしの言葉」を貪る蛾(我)の幼虫が、焼き殺さ
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