【HHM2参加作品】舌平目のムルソー(suigyo)を散瞳する/澤あづさ
 
た。
 よって死んでいる、のに生きている。
【ただ、外人としてありつづけたかった私】(4章)は【もはや外人ではない】(3章)からこそ【紛れもなく外人】(4章)だ。
【外人】とは、つまり他者だ。

  +  +  +

「目は口ほどに物を言う」と言うけれど、この詩には【くちなし】(2章)の【瞳】が捕えた「記憶」しかない。
「記憶」という字は「己を言い、心の音を心する」と書くが、口なしの声なき詩は【鰓】(4章)で「思」うだけだ。
 心に【幾数の四角形】(3章)を乗せて「思」えば思うほど、【焼け焦げて歪む写真のように】(2章)心がつぶれる。
 交錯する「意」見の摩擦が【ぱちぱちと音を
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