【HHM2参加作品】「旅立つということについて」小林青ヰ/そらの珊瑚
何かを束ねるためのもの。
そのイメージはひどく乱暴であり、もし生身の首をそれでくくられたらば不快につきるだろうと想像できる。
あらなわで束ねられたものは傷つくのである。
くくってひっぱりあげれば、ものの数分で死に至るだろう。
けれど今、平和な現代日本で首にあらなわを巻かれる人はそうはいないであろう。
犯罪者であっても腰紐である。(あれが荒縄であるかは不明だが)
けれども世界のどこかには今も人権などなく、そういった光景が珍しくはない国はあるだろう。
人が人によって売られていく、ともとれる。
深読みをすれば、「ドナドナ」という歌詞の世界を想起させる。
ある晴れた昼下がり、仔牛は市
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