終わらぬ歌の序章として/千波 一也
ど
愛して止みません
あなたと
あなたによって守られるわたしと
あなたの為に尽くせることを求めるわたしと
愛して止みません
消えるべくして消えたとしても
あらたに生まれる法則が
そのはかなさをなぐさめます
だから、
死ぬまで
うたいつづけます
消えてゆくのだから、
どうせ消えてゆくのだから、
考えたって始まりません
皆で
うたいましょうね
うたを聴いた赤子が
やがて己が身に赤子を抱えたとき
ごく自然に
ごくありふれた
なんの疑問もなく踏襲する
子守唄のように
引き継がれてゆく営みを
ふたつ持たせて頂いた手によって
ふたつも持たせて頂いた足によっ
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