終わらぬ歌の序章として/千波 一也
よって
ひとつとはいえ持たせて頂いた口によって
ひとつの重みを十分に持たせて頂いたこころによって
至らぬなりに
至らなさをわかり合って
流れ星に
代わりばんこに
思い出し合えたら素敵です
実現可能な素敵です
宜しくどうぞ
お達者で
お変わりありませんか
ご機嫌よう
どれも
まったく必要なうたですね
一度は逆らう時代もあるのでしょうが
やっぱりいつか
ひれ伏すのでしょう
人間は逆らえません
容易には
人間の幸福に逆らえません
よく出来た未熟さです
充実した果実です
またお会いしましょうね
来世でも
明日でも
原始でも
昨夜でも
思いのままに
すれ違いあって
こころを擦り合って
どうしようもなく小さな
あまりに小さな
祝福を
身にあまる架空に誘われるまま
奇跡、と呼んでいたいのです
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