終わらぬ歌の序章として/千波 一也
つもりでもないけれど
生まれたからには
必ず息絶える日が来るわけです
だれにも平等に
さようなら、と
お別れをする日が来るわけです
出会うは別れの始めなら
最期の自分がどうありたいか、
それは難しくなりようのない
至極めぐまれた命題なのだと
信じ合いたいものだ、と
ようやく気がつけました
ありがとう、そこに居てくれて
ありがとう、ここに居させてくれて
もう二度と顔を合わせることのない
はかない一期一会だとしても
わたしはあなたを忘れません
忘れられるはずもありません
何故なら
あなたがわたしの命の証だからです
寂しい日々は
あたたかい日々と必ず交互
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