峯澤典子詩集『ひかりの途上で』について/葉leaf
 
我々がどんな行為をすることができるかを知らせる特性を持っているのである。つまり、環境は、我々の行動が組み込まれるような生態学的出来事を生じさせる特性を持っている。例えば椅子は人間に座ることを提供し、壁は避けることを提供する。行為の開始・続行・変化・停止をもたらすような客観的な性質(「アフォーダンス」と呼ばれる)を環境は備えているのである。もちろん、環境の持つ意味合いは、それに向き合う個人によって多少は異なってくるだろう。だが、だからと言って環境の持つ意味合いは個人によって主観的に異なるのではなく、環境がそれらの意味合いの束を客観的に備えているというのが正しい。
 峯澤の詩編は、環境を多く描写する
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