峯澤典子詩集『ひかりの途上で』について/葉leaf
辺を歩いているときに「一羽の鳥」が近くの空を飛び上がっていくのを目撃する状況を設定する。そして「一羽の鳥」は、その速さや鋭さ、飛翔感や高さの感覚を我々に与え、我々をふと立ち止まらせ注視させる、そのようなものとして現れているのである。もちろん詩は現実自体ではないから、現実ほどの体験の強度を我々にもたらすものではない。だが、普通に「イメージ」と呼ばれているものの背後には、たとえ言語によって希薄化されたにせよ、我々が実際に生活していく上でそのイメージの具体化したものが我々にとってどのような意味と価値を担っているかが潜在しているのである。
事物はそれ自体として意味や価値を持つ。事物は、それについて我々
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