峯澤典子詩集『ひかりの途上で』について/葉leaf
「詩はイメージを用いる」とよく言われる。だが果たして詩は単に「イメージ」によって印象を引き起こすだけなのだろうか。「イメージ」とは多くの場合、言葉がテクスト内で成立させる感覚の基となるものを指すように思うが、果たして詩はテクストや感覚といった表層でのみその美を開くものなのだろうか。恐らくそうではない。詩は言葉を用いて、具体的な我々に対して具体的な働きかけをする。それは、我々が生活していく基底の次元に働きかけてくるものであり、単なる感覚上の印象で終わるものではない。例えば「闇にまぎれかかった一羽の鳥」とは、実際に生活しているときの我々に対して迫ってくるものなのである。この詩行は、我々が夕方川辺を
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